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酒さは「ただの赤ら顔」ではなく、慢性的な炎症性疾患です
「顔の赤みがずっと引かない」「お酒を飲んでいないのに、酔っているように見えると言われる」
——こうした悩みを持つ方の多くが、実は「酒さ(しゅさ)」という病気に当てはまる可能性があります。
結論から言うと、酒さは単なる赤ら顔ではなく、頬や鼻、額を中心に赤みや毛細血管拡張が数ヶ月以上続く慢性炎症性疾患です。
ニキビと似た症状が出ることもありますが、原因や治療アプローチはニキビとは異なります。
今回は、酒さの原因、タイプ別の特徴、治療法までCZEN CLINICが解説します。
どのような病気か
酒さは、中高年の方の顔、特に両頬や鼻に好発し、全体的な赤みと毛細血管拡張が数ヶ月以上持続する、原因がはっきりとはわかっていない慢性炎症性疾患です。
赤みや毛細血管拡張は、目の周りを避けて現れることが特徴とされています。
食事後や入浴後、寒暖差などをきっかけに、30分から1時間以上顔がほてり続けることも特徴の一つです。ニキビのような膿をもったブツブツが混ざることもありますが、ニキビの元となる毛穴づまりは目立ちにくい場合が多いです。ほてりやヒリヒリ感を自覚する方も多くみられます。
酒さは特に30〜50歳代に発症しやすく、女性に多い傾向がありますが、重症例は男性に多いとされています。
原因と悪化因子
酒さの原因は、多くの場合はっきりとはわかっていません。
ただし、症状を悪化させる因子はいくつか知られています。
長風呂やサウナ、飲酒、辛い食べ物などは、毛細血管を広げる作用があるため、こうした行為が日常的に繰り返されることで、毛細血管が常に開いた状態になり、酒さが悪化しやすくなる可能性があります。また、紫外線や寒暖差、ストレスなども悪化因子として知られています。
ニキビダニ(顔ダニ)の増殖が関与しているケースもあるとされ、これが特定の治療薬が効果を発揮する理由の一つになっています。
また、ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏などの免疫抑制剤を長期間使用したことが原因となる、ステロイド酒さ・薬剤性酒さと呼ばれるタイプもあります。
症状のタイプと進行段階
酒さは、臨床症状によって4つのタイプに分類されます。
紅斑毛細血管拡張型(赤みと血管の広がりが中心)、丘疹膿疱型(ニキビのようなブツブツを伴う)、鼻瘤(鼻の皮膚が厚く腫れる)、眼型(目の周りに症状が出る)です。
進行段階としても、初期は顔が繰り返し赤くなったり、ほてったりする一過性の症状から始まり、進行すると毛細血管拡張と赤みが常に見られる状態になり、さらに進むと赤い盛り上がりや膿をもった症状が加わることがあるとされています。
自分の症状がどのタイプ・どの段階に当たるのかによって、適した治療アプローチは変わってきます。
治療の考え方
酒さの治療は、大きく3つの軸で考えられます。「悪化因子の除去」「スキンケア」「医学的治療」です。この3つは単独で選ぶものではなく、状態に応じて組み合わせながら進めていくのが基本です。
まず土台となるのは、悪化因子の除去です。
どのタイプの酒さにも共通して重要なのが、自分の症状がどのような状況で悪化するかを把握し、その因子を日常的に避けることです。長風呂・飲酒・辛い食事・寒暖差・紫外線・ストレスなどが代表的な因子として知られています。医学的な治療を受けながらも、この土台が整っていなければ症状が再燃しやすくなります。
次に、スキンケアで肌への負担を最小限にします。
紫外線対策と保湿は、どのタイプにも基本となるケアです。洗顔料は低刺激のものを選び、こすらず優しく洗うことが大切です。刺激の強い化粧品や、アルコールを多く含む製品は避けることをおすすめします。
そのうえで、症状のタイプに応じた医学的治療を選択します。
ここが酒さ治療において最も重要な判断ポイントです。
タイプによって、適した治療のアプローチが異なります。
◇ニキビダニの関与が考えられる「丘疹膿疱型」の場合
ニキビダニを減らしながら炎症を抑える作用のある外用薬が選択肢になることがあります。
外用薬や内服薬による薬物療法が中心となり、皮膚科的な管理が必要になるケースです。
◇赤みや毛細血管拡張が主体の「紅斑毛細血管拡張型」の場合
薬物療法だけでは改善が限定的なことが多く、拡張した血管そのものにアプローチするレーザー・光治療が優先されやすいとされています。
これは、外用薬がメラニン色素には作用しても、拡張した血管を直接収縮させる効果は持たないためです。
◇「ステロイド酒さ」・「薬剤性酒さ」の場合
まず原因となっている薬剤の使用を段階的に中止することが治療の起点になります。
中止に伴う一時的な悪化を管理しながら進める必要があるため、自己判断での中止は避け、必ず医師の指示のもとで行うことが重要です。
いずれのタイプでも、単一の治療法だけで完結するケースは少なく、悪化因子の除去・スキンケア・医学的治療の3つを組み合わせながら、症状のコントロールを続けていくことが、酒さとの長期的な付き合い方の基本になります。
CZEN CLINICで大切にしていること
CZEN CLINICでは、「顔の赤み」という同じ見た目の悩みでも、その背景にあるタイプや原因によって適したアプローチが異なることを大切に考えています。
赤みが酒さによるものなのか、単純な毛細血管の拡張によるものなのか、あるいは他の皮膚疾患が関係しているのかによって、治療の方向性は変わります。そのため、ご自身で市販薬やセルフケアだけで対応しようとする前に、まずは状態を診察したうえで、どのような治療が適しているかを一緒に考えることを大切にしています。
気になることや迷われていることがあれば、カウンセリングでお気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 酒さとニキビはどう違いますか?
A. 酒さもニキビのような膿をもったブツブツを伴うことがあります。さらに、効果的な治療と逆効果な治療、お勧めのスキンケア、悪化する生活習慣に一部重複があるため、紛らわしい部分が多いと言えます。
面皰(毛穴の角化や詰まり)を伴わない点がニキビと異なります。また、酒さは赤みや毛細血管拡張、ほてりを伴う点も特徴的です。
ただし、見た目だけでは判断が難しい場合もあるため、診察での見極めが大切です。
Q2. 酒さは自然に治りますか?
A. 自然に完全に治ることは少なく、悪化因子を避けながら、適切なスキンケアや医学的治療を続けることで症状をコントロールしていく病気とされています。放置すると徐々に進行する可能性もあるため、早めに相談いただくことをおすすめします。
Q3. お酒を飲まなくても酒さになりますか?
A. 「酒さ」という名前ですが、飲酒だけが原因ではありません。原因の多くははっきりとわかっていませんが、飲酒は症状を悪化させる因子の一つとして知られています。お酒を飲まない方でも酒さになることはあります。
Q4. レーザー治療と外用薬、どちらが効果的ですか?
A. 症状のタイプ、これまでの治療やスキンケアでの経過によって異なります。赤みや毛細血管拡張が主体のタイプでは、血管そのものにアプローチするレーザー・光治療が優先されやすい傾向があります。ニキビのようなブツブツを伴うタイプでは、外用薬が選択肢として推奨されやすいとされています。状態に応じて組み合わせることもあります。
まとめ|酒さは原因とタイプを見極めて治療することが大切
酒さは、頬や鼻を中心に赤みやほてりが慢性的に続く炎症性疾患で、単なる赤ら顔とは異なります。原因の多くは明確にはわかっていないものの、長風呂やサウナなどの温度差、紫外線などが悪化因子として知られています。
症状のタイプによって適した治療アプローチは異なるため、自己判断でケアを続けるのではなく、診察を受けたうえで自分に合った治療方針を考えることが大切です。
CZEN CLINICでは、お一人おひとりの状態を確認しながら、無理のない形で治療の方向性をご提案しています。気になることがあれば、カウンセリングでお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状・原因・治療効果には個人差があります。診断・治療方針については医師の診察のうえご確認ください。当院での対応可否は治療内容によって異なる場合があります。
監修:橋本 昭彦(はしもと あきひこ)
2013年鹿児島大学医学部卒業。
医学博士。大手美容外科、都内皮膚科・美容皮膚科・美容内科での勤務を経て、2025年CZEN CLINICグループ入職。
日本美容外科学会(JSAS)所属。研究者視点を活かし、統計やメカニズムに基づいた長期的な治療提案を行う。
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