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朝起きると顎がだるい、奥歯を強く噛みしめているような感覚がある
——それは、エラが張って見える本当の原因かもしれません
「骨格だから仕方ないと諦めていた」「小顔矯正やマッサージを続けても変わらない」「輪郭を見るたびにエラが気になって、写真は正面を避けてしまう」
——エラ張りに関するこうしたお悩みの多くは、実は骨格そのものではなく、無意識のうちに繰り返している「くいしばり」が原因になっていることがあります。
骨格由来のエラ張りと、筋肉の緊張・肥大によるエラ張りでは、有効なアプローチがまったく異なります。
この記事では、エラ張りの原因をセルフチェックで見極める方法と、くいしばりが関与している場合になぜボトックス治療が選択肢になるのかを解説します。
■エラ張りには、3つの原因がある
「エラが張っている」と一言で表現されますが、その原因は主に3つに分けられます。
① 骨格によるもの
下顎角(下顎の骨が張り出している部分)そのものが大きい、あるいは外側に張り出している場合です。
生まれつきの骨の形状によるもので、成長とともに定まり、その後は大きく変化しにくいという特徴があります。
② 咬筋の緊張・肥大によるもの
エラの位置には「咬筋(こうきん)」という、ものを噛む際に使う筋肉があります。
日常的に強い力で噛みしめる習慣があると、この咬筋が使いすぎによって徐々に発達し、厚みを増していきます。
筋肉が発達するほど、エラの部分が横に張り出して見えるようになります。
③ むくみ・脂肪によるもの
顔全体のむくみや、フェイスラインに沿った脂肪の蓄積によって、輪郭全体がぼやけ、結果としてエラ周辺が張って見えることもあります。
この場合、エラそのものというより輪郭全体の問題であるケースが多く、原因を混同しやすいポイントです。
これら3つは併存していることも多く、「骨格だから」と諦めていたエラ張りが、実は咬筋の影響を強く受けていた、というケースは珍しくありません。
■なぜ、無意識の”くいしばり”がエラを発達させるのか
咬筋は、意識してものを噛む時だけでなく、日中や睡眠中の無意識の「くいしばり」によっても繰り返し使われています。
医学的には、日中の無意識のくいしばりは「TCH(Tooth Contact Habit:上下歯列接触癖)」、睡眠中のものは「ブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)」と呼ばれ、いずれも本人が自覚しにくいという特徴があります。
筋肉は、トレーニングと同様に、繰り返し負荷がかかることで肥大していきます。
咬筋も例外ではなく、日常的に強い力で噛みしめる習慣が続くと、他の筋肉と同じように厚みを増し、これがエラの横幅として現れます。
ストレス、集中している時の無意識の癖、スマートフォンやパソコンを見ている時の姿勢などが、くいしばりの誘因になりやすいとされています。
「骨格の問題」だと思っていたエラ張りが、実はこうした日常的な習慣の積み重ねによる筋肉の発達だった、というケースは決して珍しくありません。
■セルフチェック:あなたのエラ張りの原因は?
| チェック項目 | 咬筋(くいしばり)の関与 |
| 奥歯をぐっと噛みしめると、エラの部分が硬く盛り上がる | 高い 咬筋が触知できる場合、筋肉由来の要素 |
| 朝起きた時、顎がだるい・疲れていると感じることがある | 高い 睡眠中のくいしばり・歯ぎしりの可能性 |
| 集中している時、気づくと歯を強く噛みしめている | 高い 日中の無意識のくいしばりの可能性 |
| 肩こりや頭痛を伴うことが多い | 中 咬筋の緊張が周辺の筋肉に影響している可能性 |
| 骨格的にエラが張っている家族が多い | 低い 骨格由来の要素も考えられる |
| 夕方になると顔全体がむくみやすい | 低い むくみ・脂肪由来の要素も考えられる |
奥歯を噛みしめた時にエラの部分が硬くなり、盛り上がるように触れる場合は、咬筋そのものが発達している可能性が高いと考えられます。
一方、噛みしめても大きな変化がなく、骨の輪郭として硬く触れる場合は、骨格由来の要素が強いと考えられます。
ただし、これらは目安であり、複数の原因が組み合わさっているケースも多いため、正確な見極めには診察が必要です。
■咬筋由来のエラ張りに、なぜボトックス治療が選択肢になるのか
ボツリヌストキシン製剤(ボトックス)は、注射した部位の筋肉の収縮を一時的に抑える作用があります。
咬筋に注入することで、噛みしめる際の筋肉の過剰な収縮が抑えられ、使われにくくなった咬筋は徐々にボリュームが落ち着いていきます。
これは、骨を削るような外科的アプローチとは異なり、筋肉の使用量そのものを減らすことでエラの張りを目立ちにくくするという考え方です。
そのため、骨格由来のエラ張りにはボトックスだけでは限界があり、咬筋の関与が大きいケースほど効果を実感しやすい傾向があります。
CZEN CLINICでは、ボトックスビスタ・ボツラックス・コアトックスという3種類の製剤を取り扱っております。
■くいしばりを放置すると、どうなるのか
くいしばりによる咬筋の発達は、放置している間も進行し続ける可能性があります。
エラの張りが目立ってくるだけでなく、以下のような影響が生じることもあります。
- 肩こりや頭痛など、咬筋周辺の筋肉の緊張による不調
- 歯や顎関節への負担の蓄積
- エラボトックスの効果を受けても、くいしばりの習慣自体が続く限り、再び咬筋が発達しやすい
そのため、ボトックスによって一時的に咬筋のボリュームを抑えつつ、くいしばりの習慣そのものにも目を向けることが、長期的な変化の維持につながります。
マウスピースの使用や、歯科でのTCH・ブラキシズムの相談も、あわせて検討する価値があります。
■よくあるご質問
Q. 自分のエラ張りが骨格なのか筋肉なのか、自分で判断できますか。
A. 奥歯を噛みしめた時にエラ部分が硬く盛り上がるかどうかが一つの目安になりますが、複数の原因が混在していることも多く、正確な判断には触診による診察が必要です。
Q. エラボトックスをすれば、くいしばりの癖自体も治りますか。
A. ボトックスは咬筋の過剰な収縮を抑える治療であり、くいしばりという行動習慣そのものを直接治すものではありません。
習慣が続く場合は、マウスピースの使用など別のアプローチもあわせて検討することをおすすめします。
Q. マッサージや小顔矯正では効果がありませんか。
A. むくみによる張りには一定の効果が期待できる場合がありますが、咬筋そのものが発達しているケースでは、外側からのマッサージだけで筋肉のボリュームを減らすことは難しいとされています。
「骨格だから仕方ない」と諦める前に、その原因が本当に骨なのか、それとも日々のくいしばりによる筋肉の発達なのかを見極めることが、適切な対処法を選ぶ第一歩です。
当院では、触診による診察でエラ張りの原因を確認したうえで、治療の必要性とタイミングについてご案内しています。
監修:橋本 昭彦(はしもと あきひこ)
2013年鹿児島大学医学部卒業。医学博士。
大手美容外科、都内皮膚科・美容皮膚科・美容内科での勤務を経て、2025年CZEN CLINICグループ入職。
日本美容外科学会(JSAS)所属。研究者視点を活かし、統計やメカニズムに基づいた長期的な治療提案を行う。
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