涼しくなってメイクを軽くした日、鏡の前で「頬のシミ、こんなに濃かったかな」と手が止まる。
秋は、そんな変化に気づきやすい季節です。
夏に浴びた紫外線によって作られたメラニンは、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)にのって数週間〜数ヶ月かけて表面に現れてくるため、シミやくすみは「夏が終わってから」目立ちやすいとされています。
また、秋から冬は紫外線量が少なくなるため、レーザーや光治療を始めやすい時期でもあります。
本記事では、秋にシミが目立つ仕組みと、シミの種類に合わせた治療の考え方を、医師監修のもとで解説します。
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なぜ夏のダメージが秋になってシミとして出てくるの?
結論から言うと、紫外線を浴びてからメラニンが作られ、それが肌の表面に見えてくるまでに時間差があるためです。
夏のあいだに蓄積したダメージが、秋になって「目に見える形」で現れてくると考えられています。
紫外線を浴びてからシミが見えるまでのタイムライン
紫外線を浴びると、表皮の細胞から「メラニンを作れ」という信号が出て、表皮の一番下にあるメラノサイト(色素細胞)が数日のうちにメラニンを作り始めます。
作られたメラニンは周囲の表皮細胞に受け渡され、ターンオーバーによって少しずつ肌の表面へ押し上げられていきます。
ターンオーバーの周期は20代で約28日とされていますが、年齢とともに長くなる傾向があり、30〜50代では40日以上かかることも珍しくありません。
そのため、真夏に作られたメラニンが、ちょうど9〜10月ごろに表面で目立ってくるという時間差が生まれやすくなります。
秋の乾燥が「くすみ」を重ねる
秋は空気が乾燥し始め、肌のバリア機能が乱れやすい季節です。
角質層の水分が減ると、肌表面のキメが乱れて光が均一に反射しにくくなり、シミに加えて顔全体がくすんで見えやすくなります。
メラニンの排出が追いつかない状態に乾燥によるくすみが重なることで、「急にシミが増えた」と感じる方も多いのです。
秋に増えたように見えるシミにはどんな種類がある?
ひとことで「シミ」と言っても、原因や性質の違う複数の種類があり、種類によって適した治療が異なります。
- 日光黒子(老人性色素斑):長年の紫外線の蓄積でできる、境界のはっきりした茶色いシミで、頬骨のあたりや手の甲にできやすい
- そばかす(雀卵斑):鼻から頬にかけて散らばる小さな斑点で、紫外線を浴びると濃くなりやすい
- 肝斑:頬骨のあたりに左右対称にもやっと広がるシミで、ホルモンバランスや摩擦などが関係するとされ、30〜50代の女性に多い
- 炎症後色素沈着:ニキビや虫刺され、肌をこすった刺激などの炎症のあとに残る茶色い跡
日焼け止めを塗り直す余裕がなかった夏のレジャーのあと、頬骨の上だけシミが濃くなった気がする、という方は少なくありません。
ただし、これらは1人の顔に複数混在していることも多く、見た目だけで自己判断するのは難しいものです。
とくに肝斑は、強い刺激を加えるとかえって濃くなる場合があるため、治療を始める前に医師の診察で種類を見極めることが大切です。
秋がシミ治療の始めどきといわれる理由は?
秋から冬にかけてシミ治療を始める方が多いのには、いくつかの理由があります。
①紫外線量が夏に比べて少なくなる
②屋外で過ごす時間が減り、施術後の紫外線対策を続けやすい
③複数回の治療が必要な場合でも、秋に始めれば紫外線が強くなる春〜夏までに一通りの治療を進めやすい
レーザーや光治療のあとの肌は一時的に紫外線の影響を受けやすい状態になるため、紫外線が強い時期よりも、施術後の色素沈着のリスクを抑えやすいと考えられています。
ただし、夏の日焼けで肌が赤くほてっている、皮むけしているなど、炎症が残っている場合は、すぐに施術を受けられないことがあります。
日焼けの跡が気になる場合は、まず医師にご相談ください。
シミの種類に合わせた治療の選び方
結論として、CZEN CLINICでは、シミの種類や広がり方に合わせて、レーザー・光治療・内服・塗り薬などを組み合わせて治療方針を考えます。
境界のはっきりしたシミには「ピコスポット」
日光黒子のように境界がはっきりした濃いシミには、シミの部分だけに狙いを定めて照射するピコスポットが検討されます。
ピコレーザーは、数百ピコ秒 (ピコは1兆分の1)という非常に短い時間で照射することで、周囲に余計な熱を加えすぎずにシミの色素や細胞を加熱できるとされています。
レーザーが当たったシミは、一旦見た目が濃くなったあとでかさぶたのように剥がれ落ちたり、ターンオーバーに合わせてゆっくり薄くなっていきます。真皮のアザや、タトゥーなどの色素の場合、レーザー照射後に数カ月かけて体の中の掃除役の細胞に取り込まれたりして、少しずつ分解されていきます。
肝斑や広範囲のくすみには「ピコトーニング」と内服
肝斑や顔全体のくすみには、弱い出力で顔全体に均一に照射するピコトーニングが検討されます。
肌の中のメラニンを少しずつ減らしていく方法のため、複数回を継続して変化を目指します。
あわせて、メラニンを作る指令を抑える働きが期待されるトラネキサム酸の内服を組み合わせることもあります。特に肝斑については強い刺激で濃くなる性質上、トラネキサムの内服が重要になります。内服が苦手な場合や低用量ピルの内服中の場合はトラネキサム酸やアゼライン酸、ルシノールなどの外用をおすすめする場合があります。
細かいシミと赤みには「ルメッカ」
そばかすや薄いシミが顔全体に散らばっている場合や、赤みも気になる場合には、複数の波長の光を照射するルメッカが検討されます。
ルメッカの光はメラニンと、赤みの原因となる血管中のヘモグロビンの両方に反応するとされ、シミと赤みにまとめてアプローチできることが特徴です。
どの治療が合うかは、シミの種類・深さ・肌の状態によって異なります。
カウンセリングでは、医師が肌の状態を確認しながら、どのシミにどの治療を組み合わせるかを判断します。
ピコレーザーとルメッカについては、それぞれ別記事で詳しく解説しています。
▶ピコレーザーとは?シミ・毛穴・肌質改善への効果を医師が解説
▶ルメッカ(IPL)とは?シミ・赤み・毛穴に幅広くアプローチする光治療を医師が解説
シミ治療の流れ
- カウンセリング・診察:気になるシミの場所や時期、日焼けの状況、過去の治療歴を伺い、医師がシミの種類を見極めて治療方針を相談します
- 洗顔:メイクを落とし、肌を清潔な状態にします
- 施術:選んだ治療に合わせて照射します。
ピコスポットの場合は、照射後に保護テープを貼ることがあります - アフターケア:施術後は保湿と紫外線対策を徹底します。
かさぶたができた場合は、無理にはがさず自然に剥がれるのを待ちましょう
熱を加える施術・レーザー治療などは、同日に行わず、一定の間隔を空ける場合があります。
複数の治療を組み合わせたい場合は、カウンセリングで医師にご相談ください。
ピコスポット・ピコトーニング・ルメッカの違い
秋に目立つシミの治療としてよく検討される3つの施術を、向いているシミの種類から整理しました。
どれが優れているというより、シミの種類や広がり方、ダウンタイムの考え方によって選び方が変わります。

※上表は一般的な傾向の整理であり、感じ方には個人差があります。
カウンセリングで医師にご相談ください。
リスク・副作用・料金
■ピコスポット・ピコトーニング
リスク・副作用
・発赤・腫脹・熱傷・色素沈着・瘢痕・白斑・痒み・乾燥・ニキビの悪化等
料金
ピコスポット ピコスポット取り放題 通常 ¥55,000
ピコトーニング 全顔 通常 ¥10,780
■ルメッカ
リスク・副作用
・赤み、腫れ、痛み、熱感、肌荒れ、かさぶた
数日~1週間程度 一旦逆に濃くなる (黒浮き)、やけど
6ヵ月~1年程度 肝斑の悪化、色素沈着
料金
ルメッカ 全顔 通常 ¥17,000
※最新の料金は料金ページをご確認ください。
よくある質問
Q. 夏に日焼けしたシミは、放っておけば消えますか?
A. 日焼けによる一時的な色素沈着は、ターンオーバーとともに数ヶ月かけて薄くなることもあります。
一方で、日光黒子のように長年の紫外線の蓄積でできたシミは、自然に消えることは少ないとされています。
気になる場合は、どの種類のシミかを医師に確認してもらうと安心です。
Q. 秋や冬でも日焼け止めは必要ですか?
A. はい。
シミの原因となる紫外線は、季節や天候にかかわらず一年中降り注いでいます。
とくにシミ治療中は、季節を問わず日焼け止めによる紫外線対策を続けることが大切です。
Q. 自分のシミが肝斑かどうか、見分けられますか?
A. 肝斑は頬骨のあたりに左右対称に広がることが多いとされますが、ほかのシミと混在していることも多く、見た目だけで判断するのは難しいものです。
肝斑は刺激で濃くなる場合があるため、自己判断せず医師の診察を受けることをおすすめします。
Q. 飲み薬だけでシミは薄くなりますか?
A. トラネキサム酸などの内服は、肝斑などに対して補助的な働きが期待されますが、効果には個人差があります。
境界のはっきりしたシミなどは、内服だけでは変化を感じにくい場合もあるため、レーザーや光治療との組み合わせを医師と相談しながら検討します。
Q. 治療は何回くらい必要ですか?
A. シミの種類や濃さ、選ぶ治療によって大きく異なります。
ピコスポットは1回で変化を感じる方もいますが、ピコトーニングやルメッカは間隔を空けて複数回継続するのが一般的です。
まとめ
秋にシミが増えたように感じるのは、夏に作られたメラニンがターンオーバーとともに表面に現れてくる時間差と、乾燥によるくすみが重なるためと考えられています。
紫外線量が少なくなる秋は、レーザーや光治療を始めやすい時期でもあります。
シミには種類があり、種類によって適した治療が異なるため、まずは自分のシミがどのタイプなのかを知ることが、遠回りしないための第一歩です。
気になる方は、カウンセリングで医師に肌の状態をご相談ください。
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橋本 昭彦(はしもと あきひこ)
2013年鹿児島大学医学部卒業。医学博士。
大手美容外科、都内皮膚科・美容皮膚科・美容内科での勤務を経て、2025年CZEN CLINICグループ入職。
日本美容外科学会(JSAS)所属。